お香典をいただいた方に対して、四十九日法要も終えて無事に故人を送ることができました、という挨拶をする際に、感謝の気持ちとして添える品物が「お香典返し」です。
本来なら、忌明けに直接お礼のあいさつに伺うべきところですが、実際は時間的な制限もあって、品物に「忌明けの挨拶状」を添えて送ることで感謝の気持ちを表すことが定着しています。
※忌明け(きあけ):死後に来世で行くべき場所が決まるといわれている日。一般的には四十九日。
お香典返しに選ばれる品物は?
香典返しは後々残らない消耗品を贈るのが一般的といえます。
それぞれの家庭の好みを考える必要はなく、誰もが使うものがよいとされています。
お茶・のり・タオル・シーツなどの日用品が代表的のようです。
消耗品が多いのは「不幸が起こらない、残らないように」後に残らないものを選ぶためです。
その中でもお茶・タオルなどが多く利用されているのは、お茶を飲みながら故人を偲ぶということで、お茶はお香典返しにおいて、もっとも多く使われています。
また、仏事では仏の世界へ白装束で旅立つという意味から、さらしが利用されていました。その流れが今もタオルなどに引き継がれて利用されています。また、お茶やタオルは自分では質の良いものは意外に買わないという事情もあるようです。
最近では、受け取る側に必要なものを贈りたいという気持ちから、受け取る方が自分で品物を選べる「チョイス・ギフト」の利用も多くなっています。
準備にかかる時間について
お香典返しを送るには、次のような準備が要ります。余裕を見て2週間前までには申し込むとよいでしょう。
ご予算について
一般に香典返しは「半返し」といって、いただいた香典の半額くらいの品物を選ぶことが目安になっています。しかし、一家の家計を支える方が亡くなった時には3分の1程度でよいともいわれています。また、特に高額の香典をいただいた方以外は同じ品にする場合もあります。
お返しの時期
お香典返しは仏式では七七日忌(四十九日)の忌明け後、神式では五十日祭を目安に送ります。キリスト教では1ヶ月後の記念日や追悼ミサを目安に送ることが多いようです。
品物を決めたり、送り先のリストを作ったり、と時間がある程度必要なので、2週間くらい余裕を見て申し込みましょう。